怒りの沸点が低くなる女性へのピル処方とその理由

身体的にみたときの女性と男性との違いのもっとも大きなものとしては、赤ちゃんを産めるかどうかというのが挙げられます。女性の身体は赤ちゃんを産み育てるための機構として子宮をもっていますし、定期的にその機能が維持されるようにするための月経があるわけです。
ところが、この月経の直前の時期になると、きまって気分が憂鬱になったり、無気力になったり、怒りの沸点が低くなって他人をどなったりするなど、感情的に不安定になる女性もみられます。怒りの沸点が低いといった感情面だけではなく、下腹部痛、頭痛、倦怠感、判断力の低下といった、より身体的な側面での不調をうったえる場合もあり、はたから見ても理由がわからないだけに混乱してしまうものです。
こうした場合、わが国ではまだ認知度の低い、PMS、月経前症候群とよばれる症状である可能性があります。月経前症候群というのは、月経前に精神的、身体的な不調になるものの、月経がはじまるとその症状がうそのように消えてしまうのが特徴で、怒りの沸点が低くなるといったものも、恒常的ではなく、特定の期間だけの話ですので、単に性格的に理由であると誤解されやすいのです。
このような月経前症候群が発生する理由としては、月経前における体内のホルモンバランスの変化が挙げられています。
そこで、このような症状の治療をしようとすれば、まずは体内でホルモンバランスがつねに一定に保たれるということが重要となってきます。病院では、ホルモン剤や、避妊用のピルなどが処方されることが多いといえます。避妊用ピルというと意外ですが、これらはどちらも女性ホルモンを含んでいるということが理由です。避妊用ピルは、月経前症候群だけではなく、たとえば月経中の痛みが強烈でがまんができないという、月経困難症の女性に対しても、同様の理由から処方されることがあります。